協会活動報告と会員情報
【活動報告】「石川県小松市・コマツ粟津工場・こまつの杜見学会&交流会を実施」
2024-12-06
石川県小松市で企業見学会と交流会を実施
12月6日に会員企業・団体の約30人が建設機械のトップメーカー・コマツの創業地で、同社の伝統を今に引き継ぐ「粟津工場」と、コマツ創立90周年の記念事業として2011年に開設した「こまつの杜」を訪問した。同社の工夫された製造現場やグローバル企業へと成長する過程、そして地域貢献に取り組む姿を学習し、見学後はコマツ関係者を交えて交流会を開催して親睦を深めた。
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カーボンニュートラルへの取り組み
工場では夜勤はなく、定時操業が基本。また1人が1カ月以内に1件以上の改善案を提出することになっており、そのアイデアは工数や安全管理などで採用されている。そして製造現場のスペースをすっきりさせて作業がしやすくなるよう、組立工場の下部に高さ3mの地下室を設け、配線や配管、空調設備を配置。暖気も下から製造現場に送られてくる。石川県および地元の森林組合と連携し、未利用間伐材を収集、チップ化して工場のバイオマス蒸気ボイラーと温水ボイラーに使用している。工場の暖房3分の1を賄っており、年間4500tのCO2排出量削減が可能になった。灰も肥料会社へ送られ、ブロッコリー栽培などに活用されるという。
駅前に展開するこまつの杜
昼食後にこまつの杜に移動した。かつてJR小松駅前にあったコマツの工場跡地に開業したもので、地域共生・子供の育成・定年世代の参画をテーマとし、地域住民も観光客もともに楽しめるさまざまな施設が用意されている。コマツウェイ総合研修センタ・わくわくコマツ館館長の森保暁氏による説明に続き、屋外に出るとすぐに圧倒されたのが、世界最大級のダンプトラック・油圧ショベルの威容だ。
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コマツの技術を学ぶ
コマツ歴史館は旧本社を復元した建物で、内部にはコマツの製品やパネルが展示されている。これらを見学して、創業者である竹内明太郎氏が唱えた創業の精神を受け継ぎ、発展してきたコマツの歩みに触れることができた。このほか建設機械のブロックで遊んだり、ミニショベルでボール救いの体験ができるコーナーなど、子供が楽しみながらコマツの技術を学べる。
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三谷氏の講演と交流会を楽しむ
その後、コマツ粟津工場改革室主幹の三谷典夫氏により「地域との相互発展に向けたコマツ粟津工場の農林業支援活動」のテーマで講演が行われた。三谷氏は「農林業は人員不足と耕作面積の減少に直面している。各企業が個々の強みを生かして農林業を支援することが重要だ。結果、企業のブランド力向上につながる」と締めくくった。交流会はコマツが保有する松風荘で行われ、地元の日本酒と料理を楽しみながら、見学会の感想や、それぞれが取り組んでいる業務について意見交換するなど、あちこちで和やかに語り合う様子がみられた。
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