協会活動報告と会員情報
【活動報告】関西支部&BtoBコミュニケーション研究会「京都・島津製作所見学&交流会」
2024-02-02
京都・島津製作所の見学・交流会を実施
当会関西支部とBtoB コミュニケーション研究会の共催事業として、京都市の株式会社島津製作所の見学と交流会を開催。30 人が参加し、古都京都で老舗企業の強みを学び、交流を深めました。島津製作所は教育用理化学器械製造を目的として1875 年に創業。明治時代に有人軽気球の飛揚、また日本で初めて医療用X 線装置を完成させるなどにより発展しました。現在では同社が製造する分析・計測機器や医療機器、産業機器、航空関連機器が広く産業分野で採用されており、医用画像診断機器は世界中の医療現場で疾病の早期発見、早期治療に貢献しています。
歴史とともに進化する製品とBtoBコミュニケーションのあり方を感じる
初めに視察した「島津製作所 創業記念資料館」は、創業100 周年を記念して1975 年に開設された施設です。初期の製品である理化学器械やX 線装置をはじめ、歴史的な文献・資料など約1,100点が収蔵されており、同社の歴史とわが国の近代技術の歩みに触れられる貴重な体験ができました。また、当時の病院に設置された様子を再現した展示もあり、日本が本格的に近代化に邁進していく背景が感じられました。二つの大戦を乗り越えて進化・発展していく研究成果・製品に並んで、その時代に発刊されたカタログも掲示されており、歴史を背景にしたBtoB コミュニケーションの変遷を学ぶことができました。このほか、2002 年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏の技術を紹介するコーナーも設けられています。
ライフサイエンス分野の発展のきっかけを知る機会に
昼食をはさんで午後は、2002 年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏の研究を発展させることを目的に2003 年に開所した「島津製作所 本社 三条工場」へ移動。研究所の岩本慎一副所長による「質量分析研の20 年の歩み」と題した講演を拝聴しました。講演は田中氏とともに歩んだ質量分析の歩みにはじまり、ノーベル賞受賞前は非常に会社の経営が厳しい時期で、そうした苦しい環境下でライフサイエンス分野に人材を募り、地道に成果を挙げて来られた過程について語られた。現在は新しい質量分析装置技術に関する開発、微生物の分析手法、アルツハイマー病の血液バイオマーカー分析が主なテーマ。2025年には島津製作所が150 周年を迎えることから、今後も科学技術で社会貢献していきたいという情熱的な話に参加者は耳を傾けていました。
新たな学びと気づき、出会いのきっかけとなる会に
その後、「サイエンスプラザ」を見学。島津製作所が開発した最先端の分析計測機器・航空機器・産業機器など代表的な製品が展示されており、それらが世界の産業界でどのように活用されているかが詳しく解説されていた。また医療機器のショールーム「メディカルセンター」では、画像診断装置や臨床アプリケーションの紹介をはじめ、最新技術の情報提供、共同研究を行う場ともなっており、同社の経営理念である「人と地球の健康への願いを実現する」を具体化していることが伺える施設だった。
予定された見学コースの視察を終え、参加者は交流会へ。今回の体験はなかなか刺激的だった様子で、あちらこちらに談笑の輪ができて大いに会話が弾んだ様子でした。終了の時間が近づいても話題は尽きず、思いがけず用意された料理が残ってしまうほどの盛り上がりであった。